Armikrog.の背景ストーリー その1

こんにちは、いちすけです。
さて、前回Armikrog.の紹介記事に書いた通り背景ストーリーを掲載します。
今後毎回…かは分かりません。一部翻訳の見直しもしたいですし、変な訳だなと後で気づいたら修正するかもしれません。…いえ、正直頑張って無理やり訳した部分もあるので明らか変なところもあるかも…しれませんが。非常に訳しにくいんですよね…小説。いえ、AxiomVergeの会話よりは楽ですが。翻訳家ってすごい職業だと思います。

あ、可能であればゲームを少しやっておくとより楽しめると思います。あくまでも背景ストーリーですので…。謎解きパズルが好きであれば是非。賛否両論ですが、私は好きなゲームです。

それでは、どうぞ。

空白板の鉱山(1)

7年の間、私はメーヴァという名前を耳に挟みはしながらも、彼女自身と出会うことはなかった。私は彼女を名前でしか知らなかったため、むろん彼女を愛してはいなかったが、私は宇宙における彼女の存在、そして彼女の人柄を非常に好んでいた。それに、たとえ彼女が私のことを知っていたとしても、魅力のない私を愛することはなかっただろう。 鉱山に戻ったとき、彼女は私の最悪の事態を免れた。 私の気持ちはメーヴァに向いていたが、彼女に私の魅力を伝えようとしたところで、ろくでなしな私には無理な話だった。 私は動物と数歩と離れた存在ではなくケダモノではあったが、彼女に対する私の気持ちは、愛や私が知る愛以外の何かを超えるもの…、それはもはや崇拝と言えるものだったのだ。

私は空白板の鉱山で育った。空白板とは、額(ひたい)に当てると自分の思考が表面に自動で刻まれる薄い岩の板のことだ。思考が刻まれた空白板は「思考板」と呼ばれるようになる。思考板の中には価値あるものが存在する。思考は空白板に刻んで初めてより大きな意味を持つことになるのだ。

我らが文明の法律は、一連の思考板に刻まれている。また、素晴らしい思考を刻んだ思考板は、研究された後、博物館に展示されるものもある。たくさんの思考板を収蔵する施設もあり、未来の世代がそれらを楽しめるように引き継がれているのだ。万が一、国が戦争の脅威にさらされるときは、思考板は地下に待避されるか、軍によって保護されることになっている。

空白板の鉱山の職長は、肩幅が広く野心的で騒々しい男、ジョクソン・レックソンである。ジョクソンは私たちに、空白板を掘るのに最適な位置や深さを教えてくれた。彼は自分のお気に入りの鉱夫に割の良い仕事を与えていた。私は彼の「お気に入り」ではなかったけれど、私の採掘量は彼にとって無視できるものではなかった。割の良い仕事を与えられている私たちは、鉱山のもっとも良い場所で掘ることができるため、1日に少なくとも4回はたくさんの空白板を地表に運ぶ機会があり、その際に日の光を拝むことができた。さらに、私たちは地上に出てテントで就寝することができるが、その他の鉱夫たちは鉱山内で寝なければならなかった。

私は底辺から上位に這い上がるための努力を惜しまなかった。ジョクソンは私が上位陣に加わることに好意的だった。私が加われば採掘量は増えるし、監督されていないときでもしっかりと働いたため、私を信頼してくれていたのだ。

これは私がメーヴァを初めて見たときの話になる。

ジョクソンは私よりもはるかに勇敢な男であり、その血筋も私のものより優れていた。彼は非常に高等な教育を受け、恐ろしいほどの権力を持っていたため、もちろんメーヴァは喜んで彼のものになるだろう。彼は毎日仕事に来ては、美しいメーヴァの話をする。最初は私も興味なく聞き流していたが、彼があまりに彼女についての話をするため、段々と私は彼女に興味が湧いてきた。ただ未だに、私はメーヴァの顔すら知らない状態だった。

ある日、私は一人で誰の目にもつかぬようジョクソンのオフィスに行き、彼がいつも話していた机の上に飾られているメーヴァが刻まれた思考板をこっそり覗き見てみることにした。私の人生の転機となったあの日、私が愛を知った瞬間を私は生涯忘れることはないだろう。

オフィスはほこりっぽく、思考板が積み上げられ散らかっていた。天井の穴から自然光が差し込んでいる。これは鉱山の職長であることの特権であった。そしてその光を浴びているのは、メーヴァの顔が刻まれた思考板だった。

それを目にした瞬間、私は冬眠から目覚めた動物のようになった。私は唖然として立ち尽くし、身体が言うことを聞かなかった。彼女の美しさはそれほどまでに私の想像を遥かに超えていたのだ。私は彼女に面と向かって会うためならば、この思考板に千日だって光をかざし続けるだろう。彼女の顔立ちはそれほどまでに素晴らしく美しかった。私は細部まで全てを記憶にとどめようとした。

と、急に近づいてきた足音に、私ははっと我に返った。私は急いでメーヴァの刻まれた思考板を机の上に戻し、思考板の山の後ろの壁に背中をあて隠れた。部屋の主はオフィスに入ってくると、そのまま私の傍を気付かずに通り過ぎていく。オフィス後方にある思考板の山の方から何かを探しているようだ…。私は彼の隙を伺うと、気付かれないようにそっとオフィスから抜け出した。

私のテント仲間であるボロックスはいつも目を開けて寝ていたので、彼が私を見つめているように見えた。これはいつもは私をひどく狼狽させていたが、その夜は全く気にもとめなかった。

空白板の鉱山で働くと空白板の粒子を体に取り込むことになる、毛穴から皮膚にしみこんでくるんだ、という人もいる。それは今、非常に納得のいく話だった。なぜならメーヴァの顔は、私の頭の中の空白板がまるで思考板になったかのようにしっかりと刻まれていて、それ以来消えることはなかったからである。


それでは、今回はこの辺りで。
早めに翻訳を最適化したいと思います。
良かったら、また来てくださいね。

続き

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