Armikrog.の背景ストーリー その2

こんにちは、いちすけです。
さて、今回もArmikrog.の背景ストーリーを掲載します。
前回分はこちらからどうぞ。
実際、このストーリーの和訳の需要がどれほどのものかというと…、正直なところあまりないだろうなぁ…とは思っています。ゲーム自体は特にストーリーを知らずとも楽しめますしね。

それでも、私が自分で検索して見つからなかったときの悲しみと苦労を思えば、これからもしプレイする人がするするっとバックストーリーを読むことができればいいかなと、そう思うわけなのです。

Armikrog.本編、そんなにお値段しませんし、年末年始にいかがでしょう?

それでは、続きに参りましょう。

空白板の鉱山(2)

翌朝、私たちはいつものように仕事にかかった。しかし、私は空白板の採掘に全く集中できない。私の心はまだメーヴァのことでいっぱいであった。あまりに気持ちが高ぶったため、私は自分の仕事道具を放り出し、鉱山の壁にもたれかかった。私は自分自身に彼女のことを考えるのをやめるように言い聞かせた。どうせ私は彼女を知らないし、彼女もまた私を知ることはないのだから。

その瞬間、メーヴァの姿が私の目の前の鉱山の壁に刻まれた!私は仲間の鉱夫にそれを見られてやしないかと、左右を振り返った。しかし、私の仲間はシャフトの少し先で作業をしていたので、誰も私の方を見ていなかった。すぐさま、岩からメーヴァの像を切り取り、ポケットに入れた。しかし、私はそれほど幸運ではなかったようだ。別のメーヴァの像が今度は8頭身の大きさで洞窟の壁に刻まれており、隠す方法はなかった。

恐ろしいことに、洞窟の壁と天井全体にメーヴァの像がびっしりと刻まれていた。私の仲間は、メーヴァの像が彼らの前に現れたとき、ショックで叫び声を上げた。ジョクソンが私に何をしてくるか不安でいっぱいだった。しかし、あまりにも膨大な像の数が私を救った。像がいたるところに刻まれたため、ジョクソンの前でも誰のせいでこうなったか分からなかったのである。私は気を取り直して、何食わぬ顔をし尋ねた。「どうしたの?」

ジョクソンは怒りにまかせてスツールを投げ飛ばした。我々のうち1人が明らかに自分の女について考えていただけでなく、その日の空白板の収穫が台無しになってしまったからだ。「誰がやったんだ?!」彼は叫んだ。全員が目を伏せ、誰も話そうとしなかった。彼は質問を繰り返したが、誰も返事をしなかった。私は彼をあまりに恐れていたため、本当のことを言い出せなかった。嫉妬に駆られたジョクソンは、トップクルー全員を鉱山で一番下っ端の、ディッチ・モンガーズと入れ替えてしまった。ディッチ・モンガーズが日の目を見るのは、せいぜい月に一度だけ。仕事の時間を地表までの8マイルの遠足に取られてしまうため、鉱山の中で寝袋を使って眠ることになる。私たちは洞窟の中で、古く汚れた寝袋で暖を取るしかなかった。

洞窟ですごす最初の夜、寝袋の中で、ポケットに押し込んでいたメーヴァの刻まれた思考板を見つけた。私はそれをすっかり忘れていたのだ。しかし、今では、日の光でもかなわないほどに私を温めてくれた。

そしてこれまで以上に、私は彼女に会いたかった。

ディッチ・モンガーズ(1)

私たちは空白板の鉱山の最下層でランプの光を頼りに仕事をしていたが、真っ黒闇に慣れるために目が疲れていた。私の仲間は20人強だったが、私はボロックスと一番仲が良かった。共通の話題があったわけではない。彼は高貴な血筋だったが、使用人を殴って捕まり、1年間刑務所に送られていた。釈放後、彼の父親の計らいで鉱山のトップクルーたちと一緒に働くことになり、地上社会に戻る前に人格を磨くことになったのだ。だが、ボロックスに与えたられたのは、新たな犠牲者だった。

ボロックスは、他人の弱みを見つけ、それを自分の利益のために利用することに長けていた。新しいメンバーがチームに加わると、ボロックスは彼らが反撃してくるまで、まずは言葉で、次に肉体的に彼らをいじめた。それは彼にとって、彼らの限界点を見つけるためのテストだった。

私が一番下っ端だったにもかかわらず、彼は私を攻撃してこなかった。当時、私はその理由が分からなかったが、今になって思えば、トップの間テント仲間として一緒に過ごしていたからだと思う。ボロックスは、おそらく寝床を共にした相手と争うのは賢明ではないと考えたのだろう。ディッチモンガーズに降格後、我々は野外の洞窟で寝ていたが、ボロックスは私をいじめてはこなかった。


それでは、今回はこの辺りで。
うーん、どうしても「た」止めが多くなってしまうのは申し訳ないところです…。
また来てくださいね。

続き

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