Armikrog.の背景ストーリー その5

こんにちは、いちすけです。
私はメトロイドヴァニア系がかなり好きなのですが、少し離れているうちにどんどん増えるのでとても嬉しく思います。直近で言えば「Hollow Knight」はやりましたが、アクションゲームとしての出来もさることながらストーリーも良くてすごく面白かったですね…。そのうち記事を書きたいと思います。

さて、それでは今回もArmikrog.の背景ストーリーの和訳を進めていきましょう。
前回分はこちらからどうぞ。初回はこちらからです。

Armikrog.本編はこちら。ねんどの世界、あなたもいかがでしょう?

それでは、続きです。
(※本文中の○はメ木几又の漢字を伏せたものです。)

企業からの訪問者

紫色の毛玉を見つけた翌日のこと。ディッチ・モンガーズのメンバーは、私が毛玉を見つけたのと同じ場所で作業をしていた。突然、聞いたことのある笛の音がホールに響き渡った。ジョックソン・レックソンの到来を知らせるものだ。見上げると、彼は白いボディースーツを着た2人の作業員と一緒にシャフトから降りてくるところだった。彼らはなんらかのデバイスを、その側面を挟むような形に付いている取っ手を持ちながら運んできた。彼らの真っ白なスーツには煤が付いていた。鉱山の岩壁で擦った後だろう。

私はジョックソンが鉱山の最下層に来ることを一度も知らなかった。私たちがトップレベルだった頃は、検査が必要であれば、いつも誰か他の人を下層に送りこんでいて、彼自身が行くのを見たことがなかったからだ。

「壁から離れたまえ!」ジョクソンは叫んだ。

我々は指示に従った。2人の作業員が前に進み出て、デバイスのダイヤルを調整している。彼らがスイッチを入れると、ブーンとハム音が鳴り始めた。スクリーンが浮かび上がり、その色がスーツの白を赤く染めた。彼らはスクリーンに表示された指示に従い、洞窟の壁に沿ってデバイスを操作している。そして、私が紫色の毛玉を掘り出した場所で止まった。デバイスは発する音は別の音色に変わっている。彼らはデバイスをオフにした後、1人がゴム手袋を外し、壁のひび割れの中に指を入れた。背筋が凍る思いだった。私は今、彼らが何を探しているのかを理解した。しばらく後、検査官は首を振ってひび割れから手を引いた。

ジョクソンは動揺していた。彼の顔は赤く、汗で濡れている。私は、この調査はジョクソンの指示でなく、もっと上層部から来たものであることを直感した。私は冷静であるように努めた。

「彼らを取り調べる必要がある。」検査官は言った。

ジョックソンは「もちろんです。」と意地わるそうに微笑んだ。それから我々に向かって言った。「君たちは検査を受ける必要がある。服を脱ぐんだ。」

これには皆、眉をしかめて不機嫌になったが、従わざるをえなかった。それで、それぞれが衣服を脱ぎ始めた。…困ったことになった。紫色の毛玉は、まだ私のヘルメットの中にある。私は靴を脱ぎながら、解決策を必死に考えていた。私は順番で言うと後ろの方、アボミネートの近くに居た。彼が助けてくれる可能性に賭けるしかなかった。

「彼らが探しているものを持っている。」私は彼にささやいた。

「山の心を?」

私はうなずいた。「隠すのを手伝ってくれないか?」

「オレはそれにはさわれない。手の中で止まっちまうからな。」

検査官はすでに、バラバラに並んだ列を順番に検査していた。ウィーブは2人の検査官によって検査されていて、不快そうに身をよじっていた。その隙に、毛玉をヘルメットから床に落とし、右足で覆った。

ボロックスの目は怒りに満ちていた。「俺らの仕事道具以外は何もありゃしねえよ、レックソン!ベースキャンプは探してみたのか?!」ジョクソンは落ち着きを取り戻し、歯を食いしばって言った。「ボロックスよ、キャンプは既に捜査済みだ。わざわざ私が君たちのクサい臭いを嗅ぎに来たとでも?」

白スーツの男たちはゴム手袋に穴が空いていないかを慎重にチェックし、アボミネートの体の隙間を検査し始めた。アボミネートはそんな彼らを見て笑った。「これ以上深入りすれば、見たくないものまで見ちまうぞ!」

ディッチ・モンガーズのメンバーはゲラゲラと笑った。

検査官は、アボミネートの服の山をチェックし、ブーツのつま先にまで手を伸ばし、脇に投げ捨てていった。

そして、とうとう私の番が来た。彼らは私の服を調べ始める。私は小声で囁いた。「紫色の毛玉を探しているんだろう?」

彼らは私に向かって身を乗り出した。「知っているのか?」

私はジョクソンを顎で指した。「君たちの機械が反応していた場所から、彼がそれを掘り出しているのを見かけた。」

彼らは頷き、「彼も調べなければ…」と言った。

彼らのうち一人は私の服を、もう一人は私自身を調べていた。

「もし彼が持っているなら、私たちを調べている間にそれを隠すんじゃないかな…。」彼らが私から離れることを期待し、私はそう言った。しかし、私の服を調べている検査官だけがジョクソンを捜しに行ったので、私は絶望した気分になった。

「足を上げなさい。」彼は言った。

突然、検査官の目が光を失い、彼は床に倒れた。…死んでいた。アボミネートが彼のそばに立っていた。アボミネートの行いで恐怖の叫び声が上がることを期待した。しかし、すべては沈黙を保っていた。

私は毛玉を隠すことに必死だったので、アボミネートが何をしたのかを見ていなかった。改めて周りを見回すと、ジャクソンや他の検査官も含め、全員が死んでいた。

「…わ、私も○すのか?」私は震えていた。

アボミネートは首を横に振った。「アンタがヤツらにそれを渡したところで、オレたちはみんな○されていたさ。さて、プレゼントをやろう。」

アボミネートは壁に手の平を広げたかと思うと、なんとピッケルを使って小指を切り落としてしまった! 彼はそれを靴下に包み、私に渡した。

「離ればなれになるからな。武器になる。とっときな。」


それでは、この辺りで。
また来てくださいね。

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